君は私の光



 ……え……今度は光くん?


「え……なに……今の『ありがとう』は……?」


 次は私が『ありがとう』の意味を光くんに訊いた。


「いや、別に深い意味はないよ。ただ『ありがとう』と言いたかっただけ」


「そう……なの」


「うん、そうだよ」


 光くんは本当に優しい……。

 光くんの優しさに包まれていく私がいる……。

 そして光くんの優しさに包まれていくこの感じがとても心地良い……。


「梓」


「うん?」


「今のままでいい。今のままこれからも友達として仲良くしていこう」


「光くん……」


「今のまま友達として続けて、その先のことはゆっくり考えればいいから」


「光くん……」


「あっ……ただ……」


「ただ……?」


「ただ……一つだけ今までの友達とは違うことをしてほしいんだ」


「違うこと……?」


「うん」


 なんだろう、違うことって……。


「……梓と二人でどこかに遊びに行きたいんだ」


「遊びに……?」


「うん。遊園地や水族館やボウリングや……えっと、いろいろありすぎて言い切れないけど、とにかく梓と一緒に遊びに行きたい。もちろん梓が行きたいところでいい。オレは梓と一緒ならどこに行っても楽しいから」


「光くん……」


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