君は私の光
「紙飛行機……オレが作った紙飛行機、どれくらい飛ぶのか試してみたくて。飛ばしてみたら思ったよりかなりの距離飛んじゃって。飛んだ方向を目で追っていたら、ちょうどそこに君がいて。止めに行こうとしたけど間に合わなかった。本当にごめんね」
「そんなに謝らなくていいよ。それに紙飛行機だから当たっても全然痛くないし」
「ありがとう」
その男子はそう言って少しだけ笑顔を見せた。
「あっ、そうだ、まだ名前言ってなかったね。オレは佐倉光」
「さくら……ひかる……くん」
「うん。あっ、漢字はこう書くの」
そう言ってバッグからスマホを取り出して文字を打ってそれを私に見せてくれた。
「佐倉光くんね」
「うん」
佐倉くんは笑顔を見せた。
「あっ、えっと、私は篠宮梓」
「しのみやあずさちゃん。どんな漢字を書くの?」
私もバッグからスマホを取り出して文字を打ってそれを佐倉くんに見せた。
「篠宮梓ちゃん」
「うん」
「あっ、オレね、明日高校卒業するんだ」
佐倉くんもなんだ。じゃあ、私と同級生だ。
「私も明日高校卒業だよ」
「本当? じゃあ、オレたち同級生だね」
「そうだね」