君は私の光
私、思い違いをしていた。
町田さんに『光くんとプライベートで二人きりで会わないで』とお願いされたと
き、町田さんのお願いに応じることが良い答えだと思っていた。
それに光くんに対しての思いが中途半端な私が光くんとプライベートで二人きりでどこかに行くなんて、そんなの光くんに失礼だし誠意がないと思った。
でも、それは違う。
そんなの逆に光くんや町田さんに失礼だし誠意がない。
私は決意していた。
町田さんに自分の今の気持ちを言おうと。
確かに今はまだ光くんに対して中途半端な気持ちかもしれない。
でも、それも踏まえてきちんと言おうと。
きっと今、それが私にできる最低限の誠意だから。
* * *
次の日。
授業後、私は町田さんのことを待った。
町田さんがいつくるのかはわからない。
でも私は町田さんのことを待たずにはいられなかった。
しばらく待った。
だけど町田さんは来ない。
私は、今日のところは諦めようとしたそのとき……。
……‼
「……あら?」
「こんにちは」
「あなた……」
「待ってたの、町田さんのこと」
「……なんで……?」
「ここではちょっとあれだから、とりあえずここを出ましょ」
私はそう言って大学から離れたところに町田さんのことを連れて行こうと町田さんの腕をつかんで引っ張って行った。
「……ちょっと、篠宮さん?」