君は私の光



 いつもの授業後、いつもの帰り道、いつもの景色……。

 それらはいつも変わらず同じ。

 そして私は、そのいつもと変わらない道を歩いている。

 ……でも…………。

 でも……一つだけ違うことがある。

 ……それは……。

 それは……私の……。

 ……‼

 ……え……? なんで……。


「……梓……」


 なんで……なんで光くんが……。


「……ちょっといい?」


 真剣な顔をしている、光くん。


「……私、しばらく忙しいから」


 私はそう言って光くんから目を逸らした。

 目を逸らした私は、そのまま光くんのもとを立ち去ろうと足を一歩前へ出した。

 そのとき私は、とてもイライラしていた。

 イライラ……? なんでイライラなんか……。


「梓」


「……なに?」


「ほんの少しの時間でいいからダメかな」


「……ダメ……」


 本当は……。

 本当は特に忙しいわけではない。


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