とある2人と、その周囲
「お待たせ」
「遅かったよ」
「ごめん、遅くなって。じゃ、行こうか」
うららの手を繋いで歩き出す。うららの手は小さくて白くてふわふわしている。
俺達の通う十色学園は小中高大一貫の由緒正しい学舎だ。
だからなのかわからないけど、野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部がない。
ちなみに俺もうららも茶道部だ。
「ねぇ、知ってる?」
「何が」
「飼育小屋の近くで幽霊が出たって話」
なんだそれ、初耳だ。
「誰から聞いたんだ、それ」
「2年の仁志右紀先輩」
「右紀先輩といったら製薬会社の息子だよな」
人間嫌いで有名な人だ。
「そう。昨日聞いたの忘れてたんだけど、右紀先輩は信憑性のない話はしないから」
「たしかにそうだ」
「それで、その話が本当だったら飼育小屋の皆がストレス感じたりするかもしれない」
飼育小屋の皆というのは、飼育委員会で飼っている生き物のことだ。
「どこで聞いた?」
「保健室。その日右紀先輩が当番だったからさ、絆創膏貰いに行ったときに聞いた。で、右紀先輩は3年の今次龍之助先輩に聞いたって」
「龍之助先輩かぁ。あの人は結構適当なところあるからなぁ」
龍之助先輩はアスリート一家の四男、陸上部で活躍している体育委員長。
「あの人も他の人から聞いたのかもしれないな」
「そうなんだよねぇ。思い出したら急に気になってきたんだよ、この話」
うららと学園の近くにある公園に行くと、同じ1年の生徒がいた。
あれは、3組の馬場航哉と東山優。
2人とも射撃部だ。
「愛希、あの2人に聞いてみよう。何か知ってるかも」
「そうだな」
近づくと2人がこちらに気付いて話しかけてきた。
「おー、愛希とうららじゃん。なに?2人もデート?」
「1組でしょ?勉強しなくてもいいの?」
航哉はふざけた喋り方だし、優の方は思ったことを包み隠さず発言する。
はっきりいうと、たまにイラッとくる。
「あのさ、飼育小屋に幽霊が出たって話知ってる?」
「遅かったよ」
「ごめん、遅くなって。じゃ、行こうか」
うららの手を繋いで歩き出す。うららの手は小さくて白くてふわふわしている。
俺達の通う十色学園は小中高大一貫の由緒正しい学舎だ。
だからなのかわからないけど、野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部がない。
ちなみに俺もうららも茶道部だ。
「ねぇ、知ってる?」
「何が」
「飼育小屋の近くで幽霊が出たって話」
なんだそれ、初耳だ。
「誰から聞いたんだ、それ」
「2年の仁志右紀先輩」
「右紀先輩といったら製薬会社の息子だよな」
人間嫌いで有名な人だ。
「そう。昨日聞いたの忘れてたんだけど、右紀先輩は信憑性のない話はしないから」
「たしかにそうだ」
「それで、その話が本当だったら飼育小屋の皆がストレス感じたりするかもしれない」
飼育小屋の皆というのは、飼育委員会で飼っている生き物のことだ。
「どこで聞いた?」
「保健室。その日右紀先輩が当番だったからさ、絆創膏貰いに行ったときに聞いた。で、右紀先輩は3年の今次龍之助先輩に聞いたって」
「龍之助先輩かぁ。あの人は結構適当なところあるからなぁ」
龍之助先輩はアスリート一家の四男、陸上部で活躍している体育委員長。
「あの人も他の人から聞いたのかもしれないな」
「そうなんだよねぇ。思い出したら急に気になってきたんだよ、この話」
うららと学園の近くにある公園に行くと、同じ1年の生徒がいた。
あれは、3組の馬場航哉と東山優。
2人とも射撃部だ。
「愛希、あの2人に聞いてみよう。何か知ってるかも」
「そうだな」
近づくと2人がこちらに気付いて話しかけてきた。
「おー、愛希とうららじゃん。なに?2人もデート?」
「1組でしょ?勉強しなくてもいいの?」
航哉はふざけた喋り方だし、優の方は思ったことを包み隠さず発言する。
はっきりいうと、たまにイラッとくる。
「あのさ、飼育小屋に幽霊が出たって話知ってる?」