結婚って、こんなんでしたっけ!?  ~私と課長の成り行き結婚~
広い座卓を挟み、両親と私達で向かい合わせに座ると父が口を開いた。

「で、なんだって?」

「えっと、今お付き合いしている久宝 穂高(クボウ ホダカ)さん。
 私達、結婚したいと思っていて・・・」

どうやら私のトラウマと父への恐怖は強かったらしい、段々声が小さく
なっていく。

そんな私の様子を見てか課長が声を上げた。

「はじめまして、心さんと同じ職場で課長をしております、久宝穂高
 です。今日は、心さんとの結婚の了承を得るために、こちらに伺わ
 せて頂きました。
 心さんと、結婚させてください。」

仕事している時の課長のように、背筋を伸ばしハッキリと口にする
堂々とした姿に、嬉しさが込み上げてくる。

「久宝さん・・分かった、良いだろう。
 心を嫁にやろう。」

「ありがとうございます。一生大事にします。」


“嘘!ホント!?OKなの?”

あまりにもすんなり事が運び、拍子抜けするほどだ。

「今日は泊っていくんだろ?
 母さん、酒の用意をしてくれ。」

「心、手伝ってくれる?」

「う、うん。」

まだ、驚きに頭がついていかない。




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