結婚って、こんなんでしたっけ!?  ~私と課長の成り行き結婚~
「そうそう、今日は新婚初夜だって分かってるのかな、奥様。」

セクシーな声が耳元で囁かれる。

「・・ッ!確かにそうですね、旦那様。」

「こないだの何でも言う事きくっていう言葉覚えてるか?
 帰ってからが楽しみだな。」

不敵な笑みを浮かべる課長に、頬がピクピクと引き攣っていた。


マンションに帰ってからの事は、ご想像にお任せします。


まあ、あんな事やこんな事、今までしたこともないような恥ずかしい
事を次々と言われ、もうクタクタ。

でも、意外に私も楽しんだりして・・・・。

自分の意外な一面を知った、そんな新婚初夜になった。




月曜日、いつもの様に課長の車で会社に向かう。

ただ、いつもと違うのは一緒に出社すること。

いつもの景色が、ちょっと違って見えてくるから不思議だ。


就業時間、10分前になり部長が出社すると、課長が部長に話しかけ
二人とも会議室に入っていった。

「綾瀬、ちょっといいか?」

会議室から課長が私を呼ぶ。

「はい。」

仕事の風を装いながら会議室に向かった。

会議室では、部長が私の顔を見て、少し驚きながらも笑みを浮かべて
いる。

「いま、久宝課長から話は聞いたが、二人は入籍したのか?」

「はい、昨日入籍しました。」

「仕事はどうするのかな?」

「キリの良い所で退職して、専業主婦になるつもりです。」

「そうか、分かった。取りあえず、営業部の皆には報告しておこう」



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