結婚って、こんなんでしたっけ!?  ~私と課長の成り行き結婚~
集中して資料の訂正分を済ませ、コピーを取り終わり、部数分
用意した時には退社時間から2時間が経過していた。

「ふ~、終わった!」

全てを終え伸びをすると、「お疲れ」と声がかかった。

誰もいないと思っていたのに、残っている人がいたのかとビクッと
肩が上がった。

「あ、久宝課長。いらしたんですか?」

「勿論、頼んでおいて自分だけ帰るわけにはいかないだろ。
 終わったんなら何か食べにいくか?」

「え、いいんですか?
 勿論、久宝課長の奢りですよね。」

「ああ、じゃあ美味い所に連れていってやる、行くぞ!」

「はい!」

何もないはずの金曜日が、課長の奢りで食べに行く予定ができた。

こういうのも、たまには良いのかもしれない。


営業部のドアを出て行こうとする課長の後を慌てて追いかけた。

課長はスタスタと私の前を歩く、身長180㎝は超えていると思われる
課長の歩幅は広く、私は小走り気味でなんとかついて行くと、駐車場
に入っていく。

「久宝課長は車なんですか?」

「ああ、マイカー通勤。マンションから会社まで遠くはないんだが
 何となく電車より車が楽だからな。
 綾瀬は電車だろ、毎日大変だろ。」

「まあ、慣れれば大したことないですよ。
 食事の場所まで車ですか?」

「いや、俺のマンションの近くの店だから、マンションの駐車場に
 停めてから行こうと思うが、いいか?」

「いいですけど・・・。」

「じゃあ、行くぞ」







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