ただ西野くんが好き。
4、過去は捨てて
夏休みが始まって1週間。
西野くんと山本くんはやっと学校に復帰。(完治した訳ではないけど、学校に来れる程度には治った)
でも、毎日補習プラス今まで休んだ分の課題と授業をしなければいけない。
夏休みとは言え、休みはないに等しい。もちろん私も。
英語コースの生徒はもちろん、受験で英語は必須科目の大学がほとんど。だから、ほとんどの生徒が英語の補習を受ける。毎日補習があり、大変だ。
補習をしながら、颯とデートは暫く出来そうにないなぁと考える。
でも次の時間は西野くんと山本くんの特別授業。
ーーーガラガラガラ
「あれ?山本くんは?」
「あいつ、推薦枠で渡部先生のとこ行くって」
山本くんはアメリカの大学に留学する希望で推薦で行こうと考えている。推薦勉強を優先するのは普通だ。
「じゃ、西野くん1人だね、今日は長文問題を多くこなしてもらおうかな」
「俺、苦手」
「苦手だからこそやるの!ほら始めるよ?」
「これ終わったら、昼ご飯一緒食べるって言ってくれたら」
凛としたカッコいい西野くんがこんなに甘えるなんて、やっぱり高校生で子供だな〜と思う。いつも男らしくて頼ってしまうから、お子ちゃまな部分を見れるのは嬉しい。
「分かった、一緒食べよっか」
「よし、やる」
ーーー30分後
「俺、終わった〜」
「え!?」
1時間かかると思ったのに半分の時間で終わるとは、西野くん、頭いいんだ。
「これから昼ごはん食べよ」
「まだチャイム鳴ってないから、もう1枚プリントを…「七瀬せーんせっ」」
西野くんは席を立って私を黒板に追いやる。
冷たい黒板が背中に伝わる。
「30分間は俺が好きなことしていいよね?」
そんな求めてるような目で見られると、つい甘やかしてしまう…教師としての自分がいなくなる。
「な、なにするつもり…?」
「ふっ、ちょっと付いてきて」
連れて来られたのは保健室。たまたま誰もいない保健室でなにをしようとしてるんだろう。
「ベッド借りるわ、美紀ちゃん」
「美紀ちゃん」というのは保健室の先生の井上 美紀先生のことだろう。長身ですらっとした美人で有名な先生。「ちゃん」付けするまで井上先生と親しくなってるってことかな…
井上先生にまで嫉妬心を抱いちゃってる私が嫌だ。
そんな私の思考を知らない西野くんは私をベッドに倒して、
「我慢できない、襲いたくなった」
その瞬間から止まらない西野くん…いや颯のキス。
深くて呼吸もできないくらいに絡み合う唇。そこから首筋を優しく舐められて私は声を我慢できない。
「ねぇ……あ、、うっ、、」
「もっと聞かせて」
「ここ、、、ほけん…しつ……」
「俺もっと興奮してきた」
もう颯は止まらない、むしろ加速してる。
ブラウスを脱がされ、左手で私の右の膨らみを掴んでは舐めて反応を楽しんでる。
「敏感なんだね」
「ねぇ、これ以上はやめよう」
本当に気持ちよくて思考が止まりそうだけど、今は授業時間で教師である。みんなに勉強を教えて、将来に希望を1つでも掴んでもらう職業を私は今遂行しなければいけない。
「西野くん…やめよ、お願い」
西野くんの胸を強く叩いて2度言ったらやめてくれた。
「ここは学校だしやっぱダメだよ、ここは私の職場でもあるんだから」
西野くんは少し悲しそうな目をした。
「そうだよね、ごめん、美波が最近忙しくて全然会えてなかったし今日やっと会えて我慢できなくなった」
私も西野くんに会いたかったから同じ気持ちだったんだと嬉しくなる。
「今日は6時には家に戻れるから私の家に来てもいいよ」
「ほんと?久しぶりだなぁ、行くよ」
ーーー颯は家に来て、保健室での続きをしたのであった。