ただ西野くんが好き。
無事に終わった文化祭。


クレープもめっちゃ売れて、(たぶん西野くん効果)何度も生地を買い足したりして私も大変だった。


颯は真っ直ぐ私の家に来るつもりだったらしいけど、打ち上げ強制参加という謎のルールがあり来れなくなった。


私も打ち上げはあった。でも、松本先生がいるのが分かって行かないことにした。正直気まずいし、もう颯に迷惑をかけるわけにはいかないから。


だから私は今家にいる。


1人でなにもすることがない。いや〜暇だ〜。


疲れたからベッドにダイブして横になってはいるけど、タキシード姿の颯を思い出すと寝れない。


ほら、こういう所はまだ子供っぽいでしょ??


うふっ


すいませんでした、本題に戻ります。


どうしよ、本当に寝れない。


久しぶりに親友の和倉 梨花(わくら りか)に電話をかけた。


「もしもし、梨花」
「どうしたの?」
「うーん、暇だから電話したの」
「嘘つき、どうせ颯カッコいい〜!とか言いにきたんでしょ」
「当たり」


高校、大学と同じで同じ高校教師で親友の梨花。


唯一、颯との交際を言っている。


共通点はそれだけじゃない。


梨花も生徒と付き合ってる。


名前は石田 泰斗(いしだ ひろと)くん。


高校3年生。


石田くんが1年生の時から担任が梨花で、1年生の冬からずっと付き合っている。


もう2年近く付き合っている。


付き合い始めた頃から私に石田くんのこと話してたから私だって言ってもいいじゃん!と思い颯のことでなんかあったら梨花に話を聞いてもらっている。


だから颯のこととか照れとかは梨花にしか言ってない。


電話する度に面倒くさい〜とか言うけど最後まで話聞いてくれるしありがたいなと思う。



「ほぉ、いい青春じゃないの〜」
「でしょ?」
「もうカッコ良かったよ!」
「でも、私たち受験生クラス持ってるから気引き締めないとダメだよ、美波」
「そうだね、生徒の希望を叶える手伝いをするのが仕事だもんね」
「そうそう、と言っても今隣に泰斗いるんだけどね〜〜」
「えー!なにしてんの〜!」
「泰斗が会いたいっていうから会ってるの、もう泰斗と喋るからね、じゃーね!」


一方的に切れた電話。いつもは1、2時間くらい話すのに今日は30分も経たずに終わった。


それでも寂しくなかった。


ーーー頭の中は颯でいっぱいだったから。
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