ただ西野くんが好き。
ーーーピーンポーン
定期試験が終わり、すべての作業が終わって疲れていた。
テスト期間を含め、2週間以上颯と会ってなくて寂しかったから、颯に内緒で寮に向かう。
メールはしてたけど、やっぱ顔を見たい。
最初は嫌だった、西野 颯。
でも、真っ直ぐ人を見る所、フレンドリーで話しやすい所、教師として、彼女として、颯のいろんな部分を知れて私は嬉しい。そしていつの間にか私は颯に溺れていた。付き合ってまだ1ヶ月しか経ってないのに、こんなにも魅力溢れる颯を見て、感情がぐちゃぐちゃになって、颯の前で教師としていることが精一杯なくらい。
でも、颯といると落ち着く。
だから、寮に来た。
「みな……み…なんで……?」
「しばらく会っていなかったから」
「俺嬉しい」
颯から水を貰って、疲れを少し取って、ソファーにあるクッションを抱きしめながら、テレビを見る。
「美波」
「なに?」
「俺の顔見たくなったんだ」
ちょっと微笑んで真顔に戻ったけど、バレバレだよ!
「そういうことだね……、でももうすぐ門閉まるからすぐ帰るけどね」
「素直になってる〜」
「疲れが溜まっているから少し甘えたくなったのかも」
「……」
なにも言わない颯。
「あ、甘えない方がいい?」
颯はハッとした顔で、
「そんなわけないじゃん、ずっと甘えて欲しい」
「ずっとは嫌だよ、たまにでいいの」
「可愛くないな〜、ほらおいで?」
手を広げて待ってる颯。
「颯から来てよ」
「甘えたいのそっちでしょ?」
それはそうだけど…颯から来てくれなさそうだから、私は颯の手を閉じて、頬に軽くキスをした。
「もう9時だからじゃーね!」
颯の部屋から勢いよく出て、9時ギリギリで門を出た。
ーーーまさか見られてるとは思わずに