みずあめびより
「美味いよ。」

鈴太郎はポトフを食べながら言う。

「コンソメは偉大ですよね。コンソメあれば不器用でも料理作れるから・・・。」

「そういうこと言うなって。」

「でも・・・。」

「得意料理は何?」

「得意・・・というか作るのが好きなのはスイートポテト・・・かな。こし器でこす作業が好きなんです。」

「今度作ってくれる?」

「はい。でも葉吉さん、料理されるんですよね。食材も調味料も揃ってるし・・・絶対私より上手ですよね。」

───本当、葉吉さんは何でも出来る。やっぱり私、釣り合わないよね・・・。こんな(つたな)い料理作って恥ずかし・・・。

「ストップ。」

「!」

おでこを指でツンとされる。

「また余計なこと考えてるんだろ。」

「自分に自信なくて・・・。」

「衣緒が世界の誰よりも()けていること、何だかわかるか?」

「寝つきがいいこと・・・?」

「それもそうかもしれないけど、違う。」

「・・・わからないです。」
< 154 / 253 >

この作品をシェア

pagetop