みずあめびより
「えっ!?!?あっ!!」
衣緒は鈴太郎の唐突な申し出に驚いてアイロンを落としそうになった。
「ごめん!大丈夫か!?」
鈴太郎が駆け寄ってくる。
「はい。シャツは無事です。」
「そうじゃなくて、衣緒がだよ!」
「・・・あ、はい、大丈夫です。」
衣緒はアイロンを台に戻そうとしたが、動揺していて少し手間取った。
「急にごめん。一緒に暮らしてアイロンがけしてくれって意味じゃなくて、あ、でもしてくれるならありがたいけど、その・・・。」
「・・・!」
衣緒はしどろもどろになる彼を驚いたように見つめる。彼のこんな様子は見たことがない。出張先のホテルのテラスで思いをぶつけあってから、今まで想像もしなかったような彼の色々な表情を目の当たりしていた。
「その、木曜の夜にこういう・・・恋人・・・になって、土曜の夜にこんなこと言うの早いかとは思うけど・・・なんかもう離れて暮らすの考えられないっていうか、ずっとこういう風に過ごしていきたいんだ・・・。そりゃ、平日はこんな風にのんびりは出来ないだろうけど、少しでもたくさん一緒にいたいんだ。その分、喧嘩とかもするかもしれないけど、それでも・・・。今までこんな風に思ったことなくて、自分でも驚いてるんだけど・・・。」
「葉吉さん・・・。」
会社で落ち着いて淡々とプレゼンをする彼とは別人のような、揺れ動く感情が露になった、たどたどしいとも言えるその言葉は、衣緒の心を強く揺さぶった。
「このマンション気に入ってるならここでもいいし・・・空いてるかわからないけどここより広い部屋もあるから。もちろん別のところでもいいし。考えておいてくれないか?」
「・・・はい。」
───嬉しい、けど・・・一緒に暮らしたら全部を見せることになるんだよね・・・。
戸惑いと喜びがない交ぜになって胸の中は激しい嵐のように大いにざわめいていた。
衣緒は鈴太郎の唐突な申し出に驚いてアイロンを落としそうになった。
「ごめん!大丈夫か!?」
鈴太郎が駆け寄ってくる。
「はい。シャツは無事です。」
「そうじゃなくて、衣緒がだよ!」
「・・・あ、はい、大丈夫です。」
衣緒はアイロンを台に戻そうとしたが、動揺していて少し手間取った。
「急にごめん。一緒に暮らしてアイロンがけしてくれって意味じゃなくて、あ、でもしてくれるならありがたいけど、その・・・。」
「・・・!」
衣緒はしどろもどろになる彼を驚いたように見つめる。彼のこんな様子は見たことがない。出張先のホテルのテラスで思いをぶつけあってから、今まで想像もしなかったような彼の色々な表情を目の当たりしていた。
「その、木曜の夜にこういう・・・恋人・・・になって、土曜の夜にこんなこと言うの早いかとは思うけど・・・なんかもう離れて暮らすの考えられないっていうか、ずっとこういう風に過ごしていきたいんだ・・・。そりゃ、平日はこんな風にのんびりは出来ないだろうけど、少しでもたくさん一緒にいたいんだ。その分、喧嘩とかもするかもしれないけど、それでも・・・。今までこんな風に思ったことなくて、自分でも驚いてるんだけど・・・。」
「葉吉さん・・・。」
会社で落ち着いて淡々とプレゼンをする彼とは別人のような、揺れ動く感情が露になった、たどたどしいとも言えるその言葉は、衣緒の心を強く揺さぶった。
「このマンション気に入ってるならここでもいいし・・・空いてるかわからないけどここより広い部屋もあるから。もちろん別のところでもいいし。考えておいてくれないか?」
「・・・はい。」
───嬉しい、けど・・・一緒に暮らしたら全部を見せることになるんだよね・・・。
戸惑いと喜びがない交ぜになって胸の中は激しい嵐のように大いにざわめいていた。