みずあめびより
「・・・怒ってねえよ?」
鈴太郎は衣緒が何かを聞く前に正面を見たまま答える。
「・・・でも。」
「・・・あの人が来るの知らなかったんだよな?」
彼女の方を向く。責める口調ではなかった。
「・・・言い訳になっちゃいますが・・・チケット頂いた時に出展企業を見たけど、あの人の勤めてる会社の名前はなかったんです。会社名変わったそうで。でも、考えてみたら出展してなくても見に来ている可能性はありましたよね・・・。ごめんなさい。」
衣緒は目を伏せた。
「・・・謝ることはないけど・・・。」
「もしクラシックコンサートのチケットをもらっていたら、バイオリンをやっている友達のことを考えたと思います。でもそれとは・・・意味合いが違いますよね。行く前に言えば良かったんです。元彼が宇宙研究してる人でって。・・・私、葉吉さんのおかげであの人とのこと思い出に出来ました。多分向こうも、奥さんに出会ってそう出来たんじゃないかと思います。」
衣緒は伏せていた目を開けて、じっと鈴太郎の目を見つめ力強く言った。
「ふう。」
彼は溜め息をついてからゆっくり話し始める。
鈴太郎は衣緒が何かを聞く前に正面を見たまま答える。
「・・・でも。」
「・・・あの人が来るの知らなかったんだよな?」
彼女の方を向く。責める口調ではなかった。
「・・・言い訳になっちゃいますが・・・チケット頂いた時に出展企業を見たけど、あの人の勤めてる会社の名前はなかったんです。会社名変わったそうで。でも、考えてみたら出展してなくても見に来ている可能性はありましたよね・・・。ごめんなさい。」
衣緒は目を伏せた。
「・・・謝ることはないけど・・・。」
「もしクラシックコンサートのチケットをもらっていたら、バイオリンをやっている友達のことを考えたと思います。でもそれとは・・・意味合いが違いますよね。行く前に言えば良かったんです。元彼が宇宙研究してる人でって。・・・私、葉吉さんのおかげであの人とのこと思い出に出来ました。多分向こうも、奥さんに出会ってそう出来たんじゃないかと思います。」
衣緒は伏せていた目を開けて、じっと鈴太郎の目を見つめ力強く言った。
「ふう。」
彼は溜め息をついてからゆっくり話し始める。