みずあめびより
「新貝!」
鈴太郎が慌てて駆け寄る。
「・・・幸せになれよ。」
新貝は鈴太郎にも聞こえるようにそう言うと、衣緒の手をひいて壁から離し、その背中をすぐそばに来ていた鈴太郎の方に押した。
「あの迷路の時のリベンジですよ。」
新貝はとっさに彼女を受け止めた鈴太郎に向かって、してやったり顔で言った。
「・・・あーあ、まったく、お二人の幸せは俺の犠牲の元に成り立っていることを忘れないでくださいよ?俺が彩木さんにちょっかい出したから葉吉さんも動いたんだし。」
新貝は頭の後ろで手を組んでつまらなそうに言った。
「あ、ああ・・・。」
「別れたら許さないですから。こうなった責任をとってくださいよ。結婚式には呼んでください。VIP待遇で。」
「結・・・!?」
衣緒はそのワードに目を見開く。
「わかった。」
鈴太郎が真剣な顔をして承諾したので、彼女は更に驚いて口までポカーンと開けてしまった。
「ちなみにお二人のことは誰にも言いません。悔しいですから。」
「・・・新貝さん、ありがとうございます。」
「・・・彩木さん、そんな切なげな顔でそういうこと言うと、奪いに行きますけど?ま、もし別れるんなら早目にお願いします。」
「別れねえから。」
鈴太郎はキッパリと言い、衣緒の手を握った。
「はいはい、わかりました。俺、午後イチでミーティングなんで行きます。せいぜい仲良くやってくださいね。」
新貝は後ろ手をひらひらと降りながら出口の方に歩いて行った。
鈴太郎が慌てて駆け寄る。
「・・・幸せになれよ。」
新貝は鈴太郎にも聞こえるようにそう言うと、衣緒の手をひいて壁から離し、その背中をすぐそばに来ていた鈴太郎の方に押した。
「あの迷路の時のリベンジですよ。」
新貝はとっさに彼女を受け止めた鈴太郎に向かって、してやったり顔で言った。
「・・・あーあ、まったく、お二人の幸せは俺の犠牲の元に成り立っていることを忘れないでくださいよ?俺が彩木さんにちょっかい出したから葉吉さんも動いたんだし。」
新貝は頭の後ろで手を組んでつまらなそうに言った。
「あ、ああ・・・。」
「別れたら許さないですから。こうなった責任をとってくださいよ。結婚式には呼んでください。VIP待遇で。」
「結・・・!?」
衣緒はそのワードに目を見開く。
「わかった。」
鈴太郎が真剣な顔をして承諾したので、彼女は更に驚いて口までポカーンと開けてしまった。
「ちなみにお二人のことは誰にも言いません。悔しいですから。」
「・・・新貝さん、ありがとうございます。」
「・・・彩木さん、そんな切なげな顔でそういうこと言うと、奪いに行きますけど?ま、もし別れるんなら早目にお願いします。」
「別れねえから。」
鈴太郎はキッパリと言い、衣緒の手を握った。
「はいはい、わかりました。俺、午後イチでミーティングなんで行きます。せいぜい仲良くやってくださいね。」
新貝は後ろ手をひらひらと降りながら出口の方に歩いて行った。