みずあめびより
鈴太郎も寝室に行き戻ってきた。

「付き合い始めた時から考えてたことだけど・・・。本当はもっと夜景がきれいなところとか、おしゃれなレストランとかで言った方がいいんだろうけど、俺達は一年前の今日、このマンションから始まったから、今日ここで言いたかったんだ。」

下を向いて気合いを入れ直してから顔を上げ、まっすぐ衣緒を見つめる。

「リンくん・・・?」

「衣緒、結婚しよう。」

「・・・!?!?!?」

彼女は目を大きく見開いた。

「これからもずっと一緒にいたい。楽しいことは全部二人の思い出にして、辛いことは二人で支えあって乗り越えて、喧嘩してもまた手を繋いで、衣緒と一歩一歩を大切に歩いていきたい。」

彼のその言葉を聞いて衣緒の瞳は再び潤んだ。今度は喜びの涙だった。震える声で絞り出すように話し始める。
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