みずあめびより
「久しぶりにパン焼こう!」
衣緒は張り切って言い放った。
「パン・・・?」
───いや、衣緒のことだから、そういうこと言う気もしてたけど・・・『このまま』なんて言うから、甘い展開を期待してしまった。ていうかこの流れでパン焼くなら全然『このまま』じゃないだろ・・・流れぶった切ってるだろ・・・。
鈴太郎が呆気に取られていると、衣緒は弾んだ声で続けた。
「下のカフェでレシピ教えてもらって材料も揃えたんだ。暑くなったらまたやろうって言ってたじゃない?暑い時に涼しい部屋で生地練って、クーラーついてない廊下で発酵させておいて、それを涼しい部屋で待ってるっていうのがいいんだよね。」
「・・・あのさ。」
───俺の気持ちは収まらないからな。
「え?」
鈴太郎の突然の鋭い声にゾクッとする。
「パン焼くのはいいんだけど・・・衣緒、反則したからペナルティあるから。再三注意したのに辞める気ないみたいだし。」
「え?『大好き』って言ったこと?ペナルティって・・・一週間甘いもの食べるの禁止とか、すっぴんで会社行くとか!?無理だよ・・・仕事に支障が出るよ・・・。」
おろおろし始めた衣緒を鈴太郎はいつもとは違って荒々しく抱きしめる。
「そんなんじゃなくて・・・。」
衣緒は張り切って言い放った。
「パン・・・?」
───いや、衣緒のことだから、そういうこと言う気もしてたけど・・・『このまま』なんて言うから、甘い展開を期待してしまった。ていうかこの流れでパン焼くなら全然『このまま』じゃないだろ・・・流れぶった切ってるだろ・・・。
鈴太郎が呆気に取られていると、衣緒は弾んだ声で続けた。
「下のカフェでレシピ教えてもらって材料も揃えたんだ。暑くなったらまたやろうって言ってたじゃない?暑い時に涼しい部屋で生地練って、クーラーついてない廊下で発酵させておいて、それを涼しい部屋で待ってるっていうのがいいんだよね。」
「・・・あのさ。」
───俺の気持ちは収まらないからな。
「え?」
鈴太郎の突然の鋭い声にゾクッとする。
「パン焼くのはいいんだけど・・・衣緒、反則したからペナルティあるから。再三注意したのに辞める気ないみたいだし。」
「え?『大好き』って言ったこと?ペナルティって・・・一週間甘いもの食べるの禁止とか、すっぴんで会社行くとか!?無理だよ・・・仕事に支障が出るよ・・・。」
おろおろし始めた衣緒を鈴太郎はいつもとは違って荒々しく抱きしめる。
「そんなんじゃなくて・・・。」