みずあめびより
役所の入り口までは階段になっていた。
その階段を二人でじゃんけんをし、勝った方が出した手の形の頭文字から始まる言葉の文字数だけ階段を登るゲームをしながら登る。
「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル
。俺の勝ちだな。」
「ぴったりで頂上に着かなかったら余った数戻るんじゃなかったっけ?」
「そんなことやってたらなかなか終わらないだろ。」
「ふふ、そうだよね。」
鈴太郎は階段を衣緒のところまで降りると再び手を繋いだ。
時間外受付となる守衛室で婚姻届を提出する。
「こちらなんですが・・・。」
「うわ・・・やっちゃった!」
守衛に間違いを指摘され、鈴太郎は青ざめた。
婚姻届は数枚準備し、練習として書いたものをあらかじめ役所で確認してもらい、その後新しい紙に清書したのだが、練習では間違っていなかった箇所を本番で間違えてしまった。
両親の名前を書く欄で両親の婚姻関係が続いている場合は、上の欄に父親の姓と名、下の欄に母親の名のみを書くのだが、鈴太郎は両方ともフルネームで書いてしまったのだ。
「私も気づかなかった。」
「ごめん・・・。」
「ううん。これも思い出だし、むしろこの方が楽しいよ。訂正印押せばいいですよね?」
守衛に聞くと、はい、と言って朱肉を渡してくれたので、訂正印を押して修正し届けを提出する。
「おめでとうございます。」
守衛は再度書類を確認すると笑顔で言った。
「ありがとうございます。」
二人で礼を言うと建物を後にした。
その階段を二人でじゃんけんをし、勝った方が出した手の形の頭文字から始まる言葉の文字数だけ階段を登るゲームをしながら登る。
「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル
。俺の勝ちだな。」
「ぴったりで頂上に着かなかったら余った数戻るんじゃなかったっけ?」
「そんなことやってたらなかなか終わらないだろ。」
「ふふ、そうだよね。」
鈴太郎は階段を衣緒のところまで降りると再び手を繋いだ。
時間外受付となる守衛室で婚姻届を提出する。
「こちらなんですが・・・。」
「うわ・・・やっちゃった!」
守衛に間違いを指摘され、鈴太郎は青ざめた。
婚姻届は数枚準備し、練習として書いたものをあらかじめ役所で確認してもらい、その後新しい紙に清書したのだが、練習では間違っていなかった箇所を本番で間違えてしまった。
両親の名前を書く欄で両親の婚姻関係が続いている場合は、上の欄に父親の姓と名、下の欄に母親の名のみを書くのだが、鈴太郎は両方ともフルネームで書いてしまったのだ。
「私も気づかなかった。」
「ごめん・・・。」
「ううん。これも思い出だし、むしろこの方が楽しいよ。訂正印押せばいいですよね?」
守衛に聞くと、はい、と言って朱肉を渡してくれたので、訂正印を押して修正し届けを提出する。
「おめでとうございます。」
守衛は再度書類を確認すると笑顔で言った。
「ありがとうございます。」
二人で礼を言うと建物を後にした。