みずあめびより
「どうした!?」
近寄ると赤ちゃんが衣緒の浴衣に吐き戻してしまっていた。
「ごっごめんね!パパ!タオル!」
「おう!マジすみません!!」
「大丈夫ですよ。もう帰るとこだったし、車だし、白い浴衣だから目立たないし。あれ、泣かないの?えらいねぇ、いっぱい飲めるんだね、大きくなるよ。」
衣緒は全く動じていないどころか逆に楽しそうに、きょとんとする赤ちゃんを覗きこむ。
「うちの弟は吐き戻すとびっくりして泣いてたな、懐かしい。でもすごく大きくなったんです。」
「あの、クリーニング代!!」
遠い目をする衣緒に男性が財布を取り出すが、彼女はにっこりと笑って言う。
「大丈夫です。どっちにしろ洗うし・・・。」
「や、でも、払わせてください!俺達こんなんだけど一応大人なんで!」
「ほんとに!そんな綺麗な浴衣!」
若夫婦が二人で迫ってくる。
「・・・い、いや、えっと、あ、私さっき、あんず飴の水飴こぼしたからベトベトなんです!透明だからわからないけど、ね?リンくん?」
失くしたキーホルダーを探すと言い張った時と同じ強い眼差しで射るように見られ、鈴太郎の口が自然に動く。
「あ、ああ、そう、だいぶ豪快にこぼしたな。」
───まったく衣緒はまた下手な嘘ついて・・・ばれてるだろこれ。
近寄ると赤ちゃんが衣緒の浴衣に吐き戻してしまっていた。
「ごっごめんね!パパ!タオル!」
「おう!マジすみません!!」
「大丈夫ですよ。もう帰るとこだったし、車だし、白い浴衣だから目立たないし。あれ、泣かないの?えらいねぇ、いっぱい飲めるんだね、大きくなるよ。」
衣緒は全く動じていないどころか逆に楽しそうに、きょとんとする赤ちゃんを覗きこむ。
「うちの弟は吐き戻すとびっくりして泣いてたな、懐かしい。でもすごく大きくなったんです。」
「あの、クリーニング代!!」
遠い目をする衣緒に男性が財布を取り出すが、彼女はにっこりと笑って言う。
「大丈夫です。どっちにしろ洗うし・・・。」
「や、でも、払わせてください!俺達こんなんだけど一応大人なんで!」
「ほんとに!そんな綺麗な浴衣!」
若夫婦が二人で迫ってくる。
「・・・い、いや、えっと、あ、私さっき、あんず飴の水飴こぼしたからベトベトなんです!透明だからわからないけど、ね?リンくん?」
失くしたキーホルダーを探すと言い張った時と同じ強い眼差しで射るように見られ、鈴太郎の口が自然に動く。
「あ、ああ、そう、だいぶ豪快にこぼしたな。」
───まったく衣緒はまた下手な嘘ついて・・・ばれてるだろこれ。