みずあめびより
だいぶ遠くまで走ってくるとその場にしゃがみ込み、はあはあと肩で息をする。

「俺、久しぶりに走ったよ・・・。」

「私はあの時以来かな、リンくんが帰ってこなくて・・・。」

「え?」

「な、何でもない!あ~下駄で走ったから足痛い。」

「無理するなよ。」

「ごめんね、リンくんまで下駄で走らせちゃった。」

「俺は大丈夫だけど・・・。」

「本当?」

「ああ・・・衣緒、俺につかまって下駄脱いでみて?」

立ち上がり彼につかまって下駄の上で鼻緒から足を抜くと血が出ている。

「やっばり・・・。」

「走ったからって言うか元々痛かったからなぁ。とりあえず絆創膏貼ってお風呂出たら塗り薬を・・・。」

衣緒はバッグから絆創膏を取り出して両足に貼った。その途端鈴太郎が下駄を両方取り上げる。
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