みずあめびより
「押すなよ・・・。」
「どうしよう・・・。」
衣緒が困った表情で見てくる。
───キスをせずに『どうやってこの場を収めよう』って意味だろうな・・・。
「・・・するしかないだろ・・・いや、しよう。」
───俺も今まで仕事にプライベートを持ち込みたくないと思ってた。単純に照れるし・・・。でも、結婚となると話は別だ。社会的にもパートナーとなって、衣緒は俺の妻で俺は衣緒の夫で、俺が彼女を幸せにするっていうことをちゃんと示したい。
「え、本当に・・・?」
衣緒が後ずさると鈴太郎は覚悟を決めた表情で一歩踏み出し彼女の肩に手を置く。
「・・・目つぶれよ。」
衣緒は肩に置かれた手と彼の目を交互に見ると、おろおろして周りを見回す。
「無理!恥ずかしいよ!」
「会社の人だけだろ?」
ビアガーデンはビルの屋上にあるが、布で仕切られていて半個室のようになっている。
「でも・・・結婚式でもないのに、そんな、急に・・・。」
「大丈夫だから落ち着け。」
そう言ってぎゅっと抱きしめると、『ひゅ~っ!』と歓声が上がる。
「リンくん・・・。」
───リンくんの腕の中は本当にホッとして力が湧いてくる。彼と一緒ならこれから色んなことがあっても乗り越えていけそう、自分の殻を破っていけそうって思う。もっと強くなって、少しは自分に自信が持てるようになれて、もっとリンくんにふさわしい奥さんになれるかな・・・。
少し体を離し思いきって顔を上げると目が合う。鈴太郎が優しく微笑むと、衣緒は静かに目を閉じた。
「どうしよう・・・。」
衣緒が困った表情で見てくる。
───キスをせずに『どうやってこの場を収めよう』って意味だろうな・・・。
「・・・するしかないだろ・・・いや、しよう。」
───俺も今まで仕事にプライベートを持ち込みたくないと思ってた。単純に照れるし・・・。でも、結婚となると話は別だ。社会的にもパートナーとなって、衣緒は俺の妻で俺は衣緒の夫で、俺が彼女を幸せにするっていうことをちゃんと示したい。
「え、本当に・・・?」
衣緒が後ずさると鈴太郎は覚悟を決めた表情で一歩踏み出し彼女の肩に手を置く。
「・・・目つぶれよ。」
衣緒は肩に置かれた手と彼の目を交互に見ると、おろおろして周りを見回す。
「無理!恥ずかしいよ!」
「会社の人だけだろ?」
ビアガーデンはビルの屋上にあるが、布で仕切られていて半個室のようになっている。
「でも・・・結婚式でもないのに、そんな、急に・・・。」
「大丈夫だから落ち着け。」
そう言ってぎゅっと抱きしめると、『ひゅ~っ!』と歓声が上がる。
「リンくん・・・。」
───リンくんの腕の中は本当にホッとして力が湧いてくる。彼と一緒ならこれから色んなことがあっても乗り越えていけそう、自分の殻を破っていけそうって思う。もっと強くなって、少しは自分に自信が持てるようになれて、もっとリンくんにふさわしい奥さんになれるかな・・・。
少し体を離し思いきって顔を上げると目が合う。鈴太郎が優しく微笑むと、衣緒は静かに目を閉じた。