みずあめびより
エレベーターで1階まで降りると、反対側の壁に小さなドアがあることに気がついた。
「土曜日の朝はだいたいここに来るんだ。」
彼がそう言ってドアを開けると、そこには衣緒や鈴太郎の部屋を渋く、大人っぽくしたような空間が広がっていた。
深い色のアンティークな家具、たくさんのドライフラワー、漂ってくるパンのいい香り。
中に入ると棚には様々な種類のパンが並んでいた。同じ種類のパンでも一つ一つに存在感があった。
「・・・どれにしようかすごく迷います。気になるものがあり過ぎて。」
「食べたいのを乗せていって。二人で半分ずつにすれば、色々な種類食べられるだろ。」
鈴太郎は木製のトングとトレーを持ってきて言った。
「ありがとうございます。」
衣緒は嬉しそうに微笑んだ。そんな彼女がパンをゆっくり見ることが出来るように、鈴太郎は彼女の後ろに回った。
「あっ、オレンジピールが入ったパン!好きなんです。形もかわいい。」
「俺もそのパン好きだよ。」
後ろから声が聞こえることに衣緒はドキドキしてしまった。
そんな彼らを席からじっと見ている人物がいることには二人とも気がつかなかった。
「土曜日の朝はだいたいここに来るんだ。」
彼がそう言ってドアを開けると、そこには衣緒や鈴太郎の部屋を渋く、大人っぽくしたような空間が広がっていた。
深い色のアンティークな家具、たくさんのドライフラワー、漂ってくるパンのいい香り。
中に入ると棚には様々な種類のパンが並んでいた。同じ種類のパンでも一つ一つに存在感があった。
「・・・どれにしようかすごく迷います。気になるものがあり過ぎて。」
「食べたいのを乗せていって。二人で半分ずつにすれば、色々な種類食べられるだろ。」
鈴太郎は木製のトングとトレーを持ってきて言った。
「ありがとうございます。」
衣緒は嬉しそうに微笑んだ。そんな彼女がパンをゆっくり見ることが出来るように、鈴太郎は彼女の後ろに回った。
「あっ、オレンジピールが入ったパン!好きなんです。形もかわいい。」
「俺もそのパン好きだよ。」
後ろから声が聞こえることに衣緒はドキドキしてしまった。
そんな彼らを席からじっと見ている人物がいることには二人とも気がつかなかった。