みずあめびより
バーベキュー場に着くと予約していることを伝え席についた。

道具は既にセッティングされていて間もなく店員が切ってある材料を持ってきてくれた。

「お飲み物は飲み放題になっております。あちらのカウンターでご注文お願いします。」

店員が戻っていくと、真中はトングを持ちグリルの前に立った。

「さー、焼いて食おうぜ。俺家族で何回か来てるんだけど、ここ肉も野菜もうまいんだよ!」

「俺も焼きます。」

新貝も真中の隣に並ぶ。

「楽しみ~♪あ、焼いてるとこ写真撮らせてください!」

玉川がスマホを取り出すと、真中は陽気にポーズをとった。

「新貝さんもこっち向いてくださーい。」

玉川に言われ、新貝もモデルのような笑顔を向ける。

「飲み物とってきますね。皆さん何飲まれますか?」

写真撮影が一段落したようなので衣緒が言うと真中がトングで肉を持ち上げながら言う。

「悪いね、俺、ビールお願い。」

「すみません、俺もビールでお願いします。」

「あたしもビールお願いします!」

真中、新貝、玉川は揃ってビールを選択した。

「葉吉さんはどうされますか?」

思わずパーカーに目がいってしまう。

───ペアルック・・・あの日もそうだった・・・。

「俺はウーロン茶で・・・。」

「ウーロン茶ですね。じゃ、行ってきます。」

慌てて目を逸らして(きびす)をかえし数歩歩くと鈴太郎が隣に並んで来た。

「一緒に行くよ。一人じゃ大変だから。」
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