今日もキミに甘え放題



「……ったく、ちゃんと勉強しろよ?」
「うん!ちゃんとする」


悠くんは優しいから、結局許してくれるのだ。
彼のとなりで大人しく勉強を開始する。

私の場合、得意科目と苦手科目の差が激しいため、苦手科目の克服に励むやり方だった。


明日の小テストは苦手科目であるため、こうして悠くんが教えてくれるのだ。


「よしっ!これで明日の小テストはいい点数とれるかなぁ。ありがとう悠くん」

「こうでもしないと、彩葉は苦手科目やりたがらねぇしな」


なんでもお見通しの悠くんに、今日も頼ってしまった。
本当に私のお兄ちゃんのようだ。


「だって頭が痛くなるの」

苦手科目を前にすると、体が拒否してしまうのだ。
それでも悠くんが教えてくれると、拒否反応を示さなくなるから不思議だ。


< 11 / 280 >

この作品をシェア

pagetop