今日もキミに甘え放題



「え、ねぇ見て外!」
「わっ、本当だ……!すごい雨!」


由良ちゃんが教室の窓を指差し、そこに視線を向けると、いつのまにかどんよりとした雲が辺りを覆い、雨が降っていた。

今日は雨だと思っていなかった私は、傘を持ってきておらず。


このままではずぶ濡れ確定だ。

けれど由良ちゃんが傘に入れてくれたため、学校から駅までの道は濡れずに済んだ。


「本当に傘なくて大丈夫なの……?」

「うん!入れてくれてありがとう。家の最寄り駅前にコンビニあるから、まだ雨がひどかったら買うね!」

「ぜったいに買うんだよ?風邪引くからね!」
「はい……!」


心配してくれる由良ちゃんに笑顔で言葉を返す。
ふたりに相談できたおかげで、自然と心は軽くなっていた。

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