今日もキミに甘え放題



いや、“ショートカットにした”という言い方はおかしいかもしれない。

正確にはショートカットに“させられた”のだ。


今では友達とも楽しそうに話している彩葉だったが、そんな彼女が一時期笑わないときがあった。

その原因はすべて俺にあったというのに。


彼女がそうなってしまうまで、俺は気づくことができず、守れなかった。

彩葉はずっと周りに気づかせないよう、笑っていて。


もっと早くにその笑顔が偽りだと気づいていれば、ここまで他人に対して神経質になることがなかったかもしれない。

彩葉の傷はあまりにも深かった。


そんな悔しい思いは二度としたくない。

高校入学時、今度こそ俺は彩葉を守るんだと心に決めたのだが、彼女自身が周りを警戒していた。

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