今日もキミに甘え放題



「……誰かいるのか?」
「……っ」

どうしよう、悠くんにバレてしまった。

しかもペットボトルは転がっていき、悠くんの視界に入る位置までいってしまった。


「もしかして、彩葉か?」
「え……」


ど、どうしてわかったの……?

一切姿は見られていなかったはずだというのに。
とにかく落としたペットボトルを拾うため、姿を見せることにした。


「ご、ごめんなさい……盗み聞きしたわけじゃなくて、たまたま聞こえちゃって……」

「バッチリ聞いてただろ」
「うっ……でも、どうしてわかったの?」

「転がってきたペットボトルの中身がりんごジュースだったから?」

「そ、それだけで……?」


悠くんの中で“りんごジュースは私”という考えなのだろうか。

確かに大好きだけれど。

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