今日もキミに甘え放題



「ふふっ、悠くんだ」
「やっぱり彩葉がよそよそしいのは慣れねぇな」

「慣れない……?」
「苗字呼びされんの、違和感しかない」

「そ、それなら私も……お前って呼ばれる」

「お前って呼ばねぇと、つい彩葉って呼びかねないからな」


それを言われてしまえばなにも言えない。
けれど、悠くんのお前呼びは好きじゃないのだ。


「わかった、我慢する……」
「そんな落ち込むことないだろ?」


悠くんは落ち込む私を、優しく抱きしめてくれる。

やっぱり落ち着くなぁ、悠くんにこうされると。
つい私からもギュッと抱きしめ返してしまう。

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