今日もキミに甘え放題



「普通の幼なじみは、こんなかんたんにキスする仲じゃねぇと思うけど?」

「……っ、ズルい」


そんな聞き方、本当にズルい。
けれど私たちは幼なじみ。

付き合っていないし、私が悠くんと付き合えるはずがなくて……。


「やっぱり怖いのか?人前で俺といるのは」


そのひとことで、私はピタッと石のように固まってしまった。


たぶん、いや……ぜったいに。
悠くんはわかっている。

私はいまだに、過去に対して怯えていることを。


「もう二度と、彩葉にあんな辛い思いはさせねぇ」

「だ、大丈夫……!もう忘れた話だし、それに、悠くんにも負担がかかっちゃうよ!」


私のことなど放っておけばいいのに。
過去に囚われているのは、私だけでなく悠くんもだ。

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