今日もキミに甘え放題
自分を責めている悠くんは、私を守ろうとしてくれる。
けれど悠くんに頼ってばかりじゃダメなのだ。
「彩葉はぜんぶひとりで抱えてるだろ?
俺にも背負わせて」
「ほ、本当に大丈夫だから……!そろそろ帰るね私!テストも近いし、勉強しなくちゃ!」
「……彩葉」
「また明日です!」
結局私は逃げてしまう。
向き合おうとしてくれる悠くんから。
そして過去に怯えたままの自分から。
それでも、また高校で同じ目に遭うかもしれない。
そう考えると怖くて。
家に着き、自分の髪先をギュッと掴む。
耳の奥のほうで、女の先輩たちの高笑いが聞こえてくる気がして。
その笑い声をかき消したかった私は、両手で耳を塞ぎ、小さくうずくまっていた。