今日もキミに甘え放題
*
次の日の朝。
昨日はあんな別れ方をしたためか、悠くんとは少し気まずくて。
互いに口数が少ないまま、駅までの道を歩いていた。
「そういえば、彩葉」
「は、はい……!」
「昨日も言ってたけど、テスト近いんだからちゃんと勉強はしろよ」
「し、してるよ……たぶん」
一応、やっているけれど。
苦手科目にはいつも通り手をつけていない。
「じゃあ今日、彩葉の苦手科目一緒にやるから」
「えっ……」
「拒否権ねぇから。苦手科目、どうせ前日まで放置する気だろ?下手すれば当日か」
「ううっ……」
まさに悠くんの言う通りだったため、黙ることしかできなくて。
昨日は申し訳ない別れ方をしたのに、まだ気にかけてくれる悠くんってどこまでも優しい人。