今日もキミに甘え放題






次の日の朝。

昨日はあんな別れ方をしたためか、悠くんとは少し気まずくて。

互いに口数が少ないまま、駅までの道を歩いていた。


「そういえば、彩葉」
「は、はい……!」

「昨日も言ってたけど、テスト近いんだからちゃんと勉強はしろよ」

「し、してるよ……たぶん」


一応、やっているけれど。
苦手科目にはいつも通り手をつけていない。


「じゃあ今日、彩葉の苦手科目一緒にやるから」
「えっ……」

「拒否権ねぇから。苦手科目、どうせ前日まで放置する気だろ?下手すれば当日か」

「ううっ……」


まさに悠くんの言う通りだったため、黙ることしかできなくて。

昨日は申し訳ない別れ方をしたのに、まだ気にかけてくれる悠くんってどこまでも優しい人。

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