今日もキミに甘え放題
相手に対して失礼だとわかっているのに、体が言うことを聞かない。
「彩葉ちゃんはどんな髪型が似合うかなぁ。
たとえば髪をアップにして……」
そのとき、美咲ちゃんの手が私の髪に触れて。
「……っ、や、やめて……!」
反射的にその手を振り払い、ガタッと椅子の音をたてて立ち上がってしまう。
「え……彩葉ちゃん?」
おどろいた顔をする美咲ちゃんを見て、やってしまったと思ったときにはもう遅かった。
「ご、ごめんなさ……」
自然と震える体。
涙で視界が歪み、この場にいるのが辛くなって。
気づけば教室を後にしていた。