今日もキミに甘え放題



「今はテスト前で学校に残ってる人が多いからね、ここなら誰も来ないと思うよ」

「どうして岸田くんが……」

「髪を触られるのが、嫌?」
「……っ」

「嫌がっているというより、怯えていたね」


早速、先ほどのことに触れられて。
思わず俯いてしまう。


「清水との関係を隠しているのにも理由があるんだよね?」


なにかを察しているような岸田くん。
悠くんとの関係を知ってもなお、隠してくれている彼になら話しても大丈夫だろうか。

なんて、そんな難しく考える前に自然と口を開いていて。
ずっと誰かに話し、心を楽にしたかったのかもしれない。


中学生のときは、悠くんと幼なじみであることを隠していなかった。

悠くんの部活の朝練がない日は一緒に登校して、互いに部活動がある日には帰りに待ち合わせをして一緒に帰っていた。

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