今日もキミに甘え放題
きっと彼なら助けようとしてくれるはずだ。
けれどそれが逆に相手を刺激して、さらにひどいことをされるかもしれない。
だから私は誰にも話さず、常に平気なフリをして。
今思えば、私のような取り柄のない人間が悠くんと仲良くしていたことで、調子に乗っていると思われたのがきっかけかもしれない。
最初の頃は先輩たちも私を冷たく睨み、悠くんの名前をよく出していた。
けれど気づけば冷たく睨まれることも悠くんの名前を出すこともなくなり、先輩たちは楽しそうに笑うようになっていた。
いつしか楽しんでいたのだ。
だから私は、その状況から抜け出すことができなくて。
むしろエスカレートしていくばかりで。
『いやっ……』
『あんた、ブサイクな顔に不相応な髪、してるね。
私たちがお似合いの髪型にしてあげる』
校舎裏に連れて行かれた私は、全身がびしょ濡れになるほど水を被せられ、そのまま髪を引っ張られて。
ひとりの先輩がその状況の中、裁縫用のハサミを取り出し、楽しそうに笑うものだから嫌な予感がしてならなかった。