今日もキミに甘え放題
「まったくさ、ふたりとも拗らせすぎだと思うよ。
これにはさすがの俺も呆れたなぁ」
「うるせぇ、岸田には関係ないだろ」
「まあまあ、とりあえず教室戻ろうか。
みんなもおどろいているだろうし」
岸田くんの言葉でふたたび今の状況を思い出した。
私は美咲ちゃんの手を振り払い、拒否してしまったのだ。
「大丈夫だ、むしろ谷野は『嫌われた』って落ち込んでる」
「えっ……どうして」
「とりあえず今日は帰ることになったから、一旦教室戻るぞ」
私のせいで、勉強する空気を壊してしまったのだ。
申し訳ない気持ちになりながらも、重い腰を上げる。