今日もキミに甘え放題
「ただ彩葉と駅が近いなら送ってあげなよって言いたかっただけ」
「なんで送らねぇといけないんだよ」
「とか言いながら、彩葉に気があるから送ろうと思ってんじゃないの?」
うう、由良ちゃんにも黙っているのが心苦しい。
実は家がすぐ近くなので、送るというより一緒に帰ってます……なんて。
まだ言える勇気はなかった。
結局悠くんは由良ちゃんの押しに負け、同じ車両に乗ることになった。
「清水って3回とも彼女の方からフラれたんだよね?
その理由はなに?」
「お前、さっきからうぜぇんだけど」
「なるほど、口の悪さか。
やっぱり彩葉の彼氏には向いてないね」
どうやら由良ちゃんはまだ諦めていなかったようで。
悠くんは相当面倒くさいのか、大きなため息をついた。
冷たい返しにも怯まず、強気な由良ちゃんに悠くんは困っていた。