今日もキミに甘え放題



そんな私を見て、調子の乗っている格好だと思われたのかもしれない。

少し不安になっていると……。


「彩葉」
「は、はい……!」

「今日は同じ車両に乗るから」
「どうして……?」


早速カミングアウトするというのだろうか。
けれど今日のメインは由良ちゃんと宮永くんである。

そんなふたりの空気を壊すわけにはいかない。
だから私は、帰る頃でいいかなと勝手に思っていた。


「彩葉が知らねで男に攫われるから」
「えっ……攫われ」

「かわいすぎて、誰も放っておくわけねぇだろ」
「……っ!?」


か、かわいい……今、悠くんはかっこいいと言ってくれた?

褒めてくれたのだろうか。

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