今日もキミに甘え放題
頭が真っ白になる私に対して、悠くんは意地悪な顔をしていて。
「あんまかわいいこと言ってると、次は人前でするかもな?」
「……っ!?」
慌てて周りを見渡す。
幸いにも人はいなかった。
もし誰かに見られていたら、私はこの場から逃げていたかもしれない。
「すぐ照れるくせに」
「だ、だって……うう」
「ほら、行くぞ」
「……うん」
悠くんにそっと手を握られ、私は逆に強く握り返す。
恥ずかしさを隠すためだ。
顔が熱くてたまらない中、駅までの道を歩く。
まだデートは始まっていないのに、こんなドキドキしてる私の心臓は果たして最後まで持つのだろうか。