今日もキミに甘え放題
「彩葉ってこういうときは積極的になるんだな」
「う、うん。由良ちゃんと宮永くんのために……」
「普段からこうして俺のとなりに来ればいいのに」
悠くんに優しく微笑まれて、胸がドキッと高鳴った。
そんな風に笑うなんてズルい。
「む、無理です……!」
「だろうな」
「わかってるならいちいち言わないで!」
本当に意地の悪い人。
ムッとしたけれど、悠くんは小さく笑うのみ。
わざと拗ねたフリをしてみる。
「ほら、拗ねるなよ」
なんて言って、悠くんは私の手をつなぎ、ご機嫌とりを始める。
けれど悪くない。
手をつないで、悠くんとの距離が自然と縮まった。