今日もキミに甘え放題



「なにも隠すことないのに。
もっと自信持っていいんだよ彩葉」

「俺もそう思うな。
逆に悠二には渡辺さんしか無理だと思ってる」


ふたりして頷き、私を見つめてくる。
けれど堂々と悠くんのとなりを歩く勇気はなくて。


「周りの嫉妬が怖いって思ってるかもしれないけど、清水が惚れた唯一の女なんだよ?もっと自信持っていいし、彩葉が清水を好きならなおさら堂々といるべきだよ。周りに気を遣う必要は一切ないと思う」


由良ちゃんの真っ直ぐな瞳が私を捉える。

気を遣う必要はなくて、堂々と……。
そんなこと、私にできるだろうか。



「それに彩葉はひとりじゃない。少なくともクラスのみんなは彩葉を応援してくれると思うよ。特に私たちなんて、一生彩葉の味方なんだから!」

「由良ちゃん……」

「美咲だってそうだよ、ぜったいに彩葉を傷つける人間は先輩だろうが後輩だろうが許せないからね!だから……」


ああ、私は本当に幸せ者だなって。
こんなにも寄り添って、背中を押してくれる友達と出会えたのだから。

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