今日もキミに甘え放題



「はぁ……それ、わざとやってんの?」
「ほら、悠くんも早く早く!」

「……家帰ったら覚えとけよ」
「悠くん?なにか言った?」

「別に」


突然悠くんから離れてしまったからだろうか。
少し不機嫌になってしまった彼。

けれど、本当に夕焼けがきれいなのである。


オレンジ色に染まる空は、まるで幻想的な世界にいるような錯覚をしてしまうほどだ。


「きれい……」

思わず魅入ってしまう。
このような絶景を悠くんと見ることができて、とても幸せだった。


「……あのね、悠くん」
「……どうした?」

まだ少し不機嫌そうな声だったけれど、無視せず反応してくれる悠くんは優しい人。

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