今日もキミに甘え放題
「あれ、悠くん……?
行かないの?」
私もふたりの後に続こうと思ったけれど、なぜか悠くんが立ち止まったままで。
「いや、行くけど……彩葉が嬉しそうだなって」
「……うん、嬉しい。本当にありがとう」
「それにしても、よく泣かずに我慢したな」
「だ、だって……悠くんの彼女として、頑張りたいって思ったから……」
涙を堪えるのに必死だった私は、あと少しで涙をこぼしていたことだろう。
その前にみんなが助けてくれたのだ。
「もう十分彩葉は頑張ってる。
だから無理だけはするなよ」
「うん、ありがとう……!」
ずっと周りを気にして、怯えていて。
弱気だった自分から、少しは変われただろうか。
「じゃあ悠くん、早くみんなの元に行こう……!」
もう恐れなくていい。
堂々と悠くんの手を引いて、となりを歩いていいんだ。