今日もキミに甘え放題



「亮、早く行くぞ」
「あ、待てよ!じゃあまた教室でな!」


けれど宮永くんは気にしていないようで。
悠くんに声をかけられるなり、私たちに笑いかけてその場を去った。

1年の時から悠くんと同じクラスで、仲のいい宮永くんはいい人そうだ。


「はぁ……やってしまった」
「……由良ちゃん?」

「どうしよう、ぜったいに嫌われた」


ふたりの姿が見えなくなると、由良ちゃんは盛大にため息をついた。

見るからに落ち込んでいる様子。


「ど、どうしたの……?」

「ねぇ彩葉、どうして私って男の前だと当たりが強くなるんだと思う?」

「え、えっと……」


由良ちゃんは強く当たってしまうことを自覚しているけれど、今日はいつも以上に落ち込んでいる気がする。

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