今日もキミに甘え放題



「ほら、1年のときもよく見てたでしょ?昼休みにバスケやサッカーしてるの。それで……宮永の姿を気づけば目で追ってたというか、そこから1年の後期にたまたま同じ委員会になって……」


恥ずかしそうに話す由良ちゃんがかわいくて、思わず頬がゆるんでしまう。

由良ちゃんは宮永くんに恋をしているのだ。


「まさか同じクラスになれるとは思ってなくて……席も前後だし、嬉しかったのになぁ」


けれど由良ちゃんは、またすぐに落ち込んだ表情へと変わってしまう。

2年になってから一度も席替えをしていないため、出席番号順である今の席では由良ちゃんと宮永くんが前後のようだ。


「この間、担任が近々席替えするって言ってたから……せっかくの機会を逃しちゃったよいろはぁ!」

「わわっ……」


由良ちゃんにギューッときつく抱きしめられる。
最初はびっくりしたけれど、じっと動かないことにした。

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