今日もキミに甘え放題



けれど私の視線に気づいたのか、ふとこちらを向いてきて。


「……っ!?」


慌てて顔を背けた。
私たちは他人なのである。

今だけは幼なじみという関係もなしだ。


無意識のうちに悠くんを見たり、考えてしまう自分はまだまだである。

やっぱり同じクラスになったのはいろいろと大変だ。


不自然に顔を背けたことがバレないよう、慌ててかばんの中から教科書や筆記用具を取り出す。


「……あれ」


そのとき、かばんにつけていたはずのストラップがないことに気づいた。

確かに朝、家を出るまではついていた。
もしかして登校中に落としたのだろうか。

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