今日もキミに甘え放題
「ご、ごめんなさい……!」
慌てて頭を下げて謝る。
私が前を見なかったせいなのだ。
「もしかして、これ探してる?」
舌打ちでもされたらどうしようかと恐れていると、意外にも相手の声は優しくて。
それと同時に、私の探していたストラップを差し出された。
とっさに顔を上げると、そこには同じクラスメイトの岸田くんがいた。
登校中に由良ちゃんと話していたため、少し驚いてしまった。
金に近い茶色の髪は光に反射し、キラキラ輝いて見えた。
さらにシルバーのピアスも輝いており、それだけで少し怯んでしまう。
けれど岸田くんの瞳は優しく、とても怖い人とは思えない。
「あれ、もしかして違ったかな?
なんか見たことあるなーって思ったんだけど……」
「え、あっ……私のです!
あの、ありがとうございます!」
つい反応に遅れてしまったけれど、お礼を伝える。