今日もキミに甘え放題
「それにしても本当にかわいいね。
どうして男嫌いなの?」
「え、えっと……」
男の子が嫌いなわけではない。
ただなるべく関わりたくないだけだ。
「まあいいや、一緒に教室行こうか。俺は岸田康生だよ。好きなように呼んでくれていいから」
結局ストラップは返してもらえず、仕方なく隣を歩くことにする。
廊下を歩く人は少ないため、目立たずに済みそうだ。
岸田くんと一緒にいるだなんて、そんなの注目の的にちがいない。
なるべく避けたいことである。
もし周りに『色目をつかっている』と思われてしまったら……また同じ繰り返しになってしまう。