今日もキミに甘え放題

「あ、もしかして周り気にしてる？」


周りを見渡していたからだろうか。
岸田くんに今の心情を言い当てられてしまう。

ビクッと肩が跳ねてしまい、それを肯定と受け取った岸田くんに笑われてしまった。


「大丈夫だよ、今はフリーだから」
「フリー……？」

「彼女はいないってこと。
気にせず行こう」


岸田くんはニコニコ笑っているけれど、私は笑えない。

教室に着くと、一瞬にして視線が私たちに集中したのだから余計に不安が募ってしまう。


「ちょっと彩葉！？
どうしてこの男と一緒なの！？」

けれど由良ちゃんが慌てて駆け寄ってくれたため、救われた気がした。