今日もキミに甘え放題
中学のときにバスケ部だった悠くんは、素人の私でもわかるほど上手かった。
1年のときはよく先輩から部活に勧誘されていたけれど、高校ではもう続けないらしい。
そういえば私立の強豪校から推薦も来ていたけれど、断ったんだっけ。
それでも昼休みにバスケをやるほど、彼は好きなのである。
そんな悠くんの存在は、学年問わず広まっていて。
それもそのはず、彼の容姿は誰もが目を惹くほど整っていた。
くっきりとした二重の目に、形のきれいな眉。
スッと通った鼻筋に薄い唇。
さらに黒い髪は、悠くんのかっこよさを際立たせていた。
背も高くてスタイルも良いし、芸能人と言われても違和感ひとつないほどだ。
「悠くん目当ての女の子も多いだろうね」
私のクラスは、バスケットゴールのある第二グラウンドの近くに位置しているため、廊下の窓からその様子を見ることができる。