今日もキミに甘え放題



「そういえば岸田くん、このストラップを見てすぐに私のってわかったらしくて……どうしてすぐにわかったんだろう?」


今思えば不思議だ。
本当にひとことも言葉を交わしたことがないのだ。

それとも目立つのだろうか、このストラップは。


「どうでもいいこと考える必要ねぇだろ」

心なしか、いつもより声のトーンが低い気がする。
悠くんは少し怖い雰囲気を纏っていた。


「悠くんにとったらどうでもいいことだろうけど……」
「お前にとってもな。余計なことをいちいち考えんな」

「ひどいよ悠くん……どうしてそんなに不機嫌なの」
「彩葉がバカだからな」


いつも以上に厳しい上、言葉にもトゲがある。
不機嫌な理由は私のせいらしい。

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